outcry-ongakuの語り場

電音部に関する記事をちょくちょく書いてます!(不定期更新)

【電音部イベントレポート】AIを使ったショービジネスの可能性 ~電音部1stGAME βテスト~

はじめに

 EDM音楽界隈を常にざわつかせ、クラブでは少しずつ常連のコンテンツとなりつつある「電音部」。コンテンツを盛り上げる三つのイベントの柱の一つ「GAME」に含まれる1stGAME βテストが12月26日にありました。リアルタイムで見たよ~という人でも、今回は見れなかったよ…という人にも楽しんでもらえるよう、記事では今回のβテストの大まかなダイジェストと共に、「GAME」というAIを使った唯一無二のイベントに関して私なりの考えを書ければ良いなと思います!是非、最後までご覧ください!

最新技術を用いた近未来イベントの先駆け 「GAME」の今後

「GAME」の概要について

 電音部は知っているけど、「GAME」って一体どんなイベントなの?という人がいるかも知れないので簡単な概要を説明する。

 「GAME」は画面上で電音部のキャラクターの3DモデルがDJを行い、それぞれのエリアを応援する観客(以下、エリア民)のコメント数に応じたポイントで競い合うというイベントだ。

 このイベントの最大のポイントは「DJに関する事柄は全てAIが行う」という点である。これはバンダイナムコ研究所で開発された最先端エンターテイメントシステムである「BanaDIVE™AX」が用いられており、キャラクターそれぞれの特徴を抑えたAIが曲を選曲し、曲同士の繋ぎ方やテンポのコントロール、DJ中の動きなどを連動させることで盛り上がるDJプレイを行うことが出来る。

 実際にGAME及び「BanaDIVE™AX」を用いたDJプレイをを見たことがある人ならわかるが、DJプレイの完成度は決して低くなく、人間のDJプレイと技術面では遜色ないと言って差し支えないだろう。(見たことがないという人向けの参考映像として、下記の動画を添付しておく)

youtu.be

βテストのダイジェスト ~αテストからの進化と~

βテスト全体の変更点/改善点

 私は前回行われた「1st GAME αテスト」も視聴しており、今回のβテストで二回目の「GAME」視聴となるが、まず大きな変更点として「3Dキャラクターのモーションの増加」は挙げられるだろう。前回のαテストでは全体的に似たモーションが多く、キャラクターの個性みたいなモノははっきりとしない印象であったが、今回のβテストではその辺りは大きく改善されており、ルキアの側転や海月の表情の変化などのキャラクターの個性を全面に出したモーションが多くなっていた。

 ゲームシステムに関しても変更点があり、得点が加算されるVJエフェクトをブロックしようとする「コメントバトル」というモノが追加されていたが、本イベントでは残念ながら一度もブロック成功とはならなかった。この辺りはゼロベースの企画ゆえの課題点であると考えられ、成熟するにつれて良くなることに期待していきたい。

シブヤエリアのNo.2 瀬戸海月の最強を魅せるDJ

 トップバッターとして登場したのはシブヤエリアNo.2の瀬戸海月。最初に掛けるのはβテスト時には公開されていなかった「Sirens in the Beginning」、同じコンポーザーであるMasayoshi Iimori繋がりで「Let Me Know」、1stLIVEで流れたシブヤエリアダンストラック「I'm alive with this town」、そして2022/1/12発売のREMIXCDに入っている「Inverted Pyramid [kors k REMIX]」と電音部楽曲に繋いだ後、今回のβテストでは解説役として活躍したコンポーザーKOTONOHAUSE feat.TORIENA「エンドロール」や前回のαテストの解説役だったTAKU INOUE作曲の「Hotel Moonside」などの楽曲を交えながら最後は持ち曲である「ペトリコールを渡って」で終えた。

 不敵な笑みを浮かべながらオーディエンスに向かって「わかってきたじゃない」、「最高ね」などと煽る海月の姿は最強シブヤのトップバッターとしての貫禄を遺憾なく魅せてきた。

open.spotify.com

(「I'm alive with this town」「Hotel Moonside」がサブスク未解禁の為、含まれてません。)

白金財閥の令嬢 白金煌のアザブ全面なDJプレイ

 対するアザブエリアのトップバッターはアザブエリアを支配しているといっても過言ではない白金財閥の令嬢 白金煌。まず始めに先日公開されたばかりの新曲「No More」から始まり、アザブエリアREMIXCDの楽曲である「MUSIC IS MAGIC [Shin Sakiura REMIX]」と自身の持ち歌を一気に披露した後、「ウサギとカメ」や「twilight」、またアザブエリアのダンストラックだったMaeshima Soshiによる「Spot AA」と全体を通してほぼ全てをアザブエリアに関する楽曲で行うプレイで会場を沸かせた。唯一のアザブエリアではない楽曲であるハレトキドキの「Nebula」の後、同じくハレトキドキが作曲に携わった白金煌&灰島銀華の「Misty Love」で締めた。

 全体を通して、煌の「少女のかわいらしさ」という点を全面に出しながら、高尚さを兼ね備えたDJプレイは解説席が言っていた様にお酒が欲しくなるようなオシャレなプレイであった。(おっぱいも揺れていた)

open.spotify.com(「Spot AA」はサブスク未解禁の為、含まれていません。)

シブヤのバトルジャンキー 大賀ルキアkawaiiを織り交ぜたDJ

 シブヤの二番手はシブヤのバトルジャンキーでおなじみ大賀ルキア。まず始めにまだ未公開であるAZKI&Tokiによるシブヤエリア曲「REIGN」を掛けてフロアを盛り上げると自身の持ち歌である「JUNGLE WAHHOI」を流すし、さらにkawaiiでお馴染みハラジュクの水上雛の楽曲である「Chick Chick Love」で畳み掛けた。その後はシブヤエリア曲である「In my world」やコンポーザーであるチバニャン事変の「超人パラグラム」、火凛の持ち歌である「Beat Me!」などのシブヤらしさある楽曲で繋ぎ、KOTONOHAUSEの「Kawaii as FxxK!!」、ハラジュクエリア曲である「Hyper Bass」や「爆裂タウマゼイン」、「Future Cαndy」とkawaii寄りの曲の流れを作ると、最後は自身の持ち歌でその前の「Future Cαndy」のコンポーザーでもあるYUC'eの「NANAIRO STAGE」で終えた。

 ルキアのプレイはまさに天真爛漫という感じに、ダンスに近い動きや側転まで見せてくるのは呆気に取られるばかりであった。(写すカメラも追いついてなかった。)

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六本木のブラックキャット 黒鉄たまのなんでもありのDJ

 最後に舞台に立つのは六本木のブラックキャット黒鉄たま。最初に持ち曲である「いただきバベル」を流すと、コンポーザーであるケンモチヒデフミ繋がりで水曜日のカンパネラの「バッキンガム」に繋ぐ。その後はアキバエリアの日高零奈の持ち曲である「Favorite Days」やMy New GearのREMIXCDの曲である「Mani Mani [BOOGEY VOXX MIX/Herb Shop]」と今回のプレイでたまは自身のエリアの楽曲よりアキバエリアの楽曲を流すという暴挙を仕掛けた。更に終盤では「NANAIRO STAGE[TORIENA Remix]」、「Inverted Pyramid」と今回の敵であるシブヤエリアの曲すら流し、最後は自身の持ち歌「Catch a Fire」で決めきった。

 そういった選曲面での衝撃がいろいろとあったが、全体的な動きは非常にかわいらしいもので愛くるしさを感じるものであった。

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 今回のβテストではアザブエリアがシブヤエリアを大きく離して勝利を収め、勝利景品として新曲を獲得した。(ちなみに、筆者は前回のαテストではアキバエリア民として応援しており、今回はアザブエリアのエリアスポンサーだったので、今回で二連勝です。)

今後の課題点と展望への期待

 さて、ここからは個人的な意見として今回のGAMEで見えた課題点について、二点ほど挙げたいと思う。

 一つ目は今回のβテスト如実に現れた現象として「エリア民の当日の集合率問題」がある。今回の配信の裏ではにじさんじの大きなイベントである「マリカにじさんじ杯」があった影響によってシブヤエリアを応援するメインの層が分かれてしまった部分があると思われる。こういった不可避な理由で一方のエリアが不利になる状態は今後のGAME運営においても課題になると考えられる。この問題の緩和策として一つ考えられるのは「ギャラリーの投票ポイントを設ける」という事だ。全てのプレイが終わった後にどちらのエリアにも属さない無料のギャラリーに「どちらのエリアが良かったか?」という投票をしてもらい、その投票数の多いエリアにポイントを加算するシステムなどがあっても良いだろう。

 もう一つはゲームシステムに対してASOBISTAGEのキャパシティが足りていない事だ。コメントバトルなどは面白いシステムであるが、コメントバトルをするとエリア民の配信画面がフリーズするという不具合が起きていた。これでは、折角エリア民になっても当日楽しめないという事に繋がりかねない。これはゲームシステムの見直しかASOBISTAGEの改修が根本的な解決になるだろう。

 さて、ここまで課題点を述べたが、じゃあGAMEはイベントとして悪いのかといえばそうではない。まず、大前提としてGAMEはLIVEやPARTYと違い、どんなコンテンツやイベントでもやった事がない「電音部が開拓している」イベントだ。今回も2ndとせずにβテストとしている所からも、電音部運営としてもこれで完成ではなく、今回の事もフィードバックして改善していくのだと思っている。

 だからこそ、敢えて辛口な感想を書いてみたが、普通に考えればAIがDJの構成を考えて実行するという時点でとんでもない話なのだ。それをビジネスの形で実用化させようとする電音部は偉業を成し遂げようとしているといっても過言ではないだろう。そして、実際に完成したGAMEが出来た時に、既存のエンターテイメントの世界を大きく変える一歩になると考える。だからこそ、これからもGAMEをやろうとする電音部を応援していこうと思った。

おわりに

 電音部、本当に夢を追っているんだな…としみじみ感じています。(もっと、稼ぎに回ってもいいのよ)次のイベントは3/19の2ndLIVEという事で、是非とも参加できればいいなと思いつつ予定の調整もしなきゃな…と思っています。PARTYは大企業ゆえに感染対策を万全に取れないクラブイベントの難しさで開けないのは残念ですが、是非とも開けるようになったら開いて欲しい!その為にも、今後も応援していこうと思います!次の記事なんですが、電音部とは違う雑記としての記事を書こうかなと思っています。そちらもお楽しみに!