outcry-ongakuの語り場

電音部に関する記事をちょくちょく書いてます!(不定期更新)

【BlueEnsemble公募の総評に代えて】形而下的に概念DJしても、概念DJは小説同人誌には勝てない、だからこそ。

はじめに ~概念DJイベントが抱える矛盾~

この記事を読む前に、前回、Vol.5の公募の総評代わりとして拙筆ながら書かせていただいた記事がございますので、そちらを読み、「概念DJとは?」のさわりを理解した上で読むと、より楽しめると思います。

outcry-ongaku.hatenadiary.com

さて、この記事を書いている私、outcryは嬉しいことに「DJ GabaEさん」名義で何度か、キャラクターやコンテンツコンセプトのいわゆる「概念DJイベント」に呼ばれたことがございます。

そして、ブルーアーカイブで最たる「概念DJイベント」であるBlueEnsembleのレジデントとして、「概念DJ」とは何かを日々、考えさせられるポジションにいる訳なのですが、そんな折、友人とクラブで酒を飲んでいると不意にこんなことを言われました。


「ただ、概念DJしても小説同人誌には勝てないよね」

 

これを聞いて、概念を標榜するイベントに属している身ではありますが、正直、たしかになと思わされてしまったのを今でも覚えています。

 

我々、人間は古来より「言葉」というツールを用いて、美しさや心情や、物語を紡いできました。
それは同時に、「既存の音楽を組み合わせて」伝えることよりも遥かに長い時間を費やされることで研鑽された表現技法を持っていることに他なりません。

そんな「小説」と「概念DJ」、どっちがより確かな文脈があり、創作性に富んでいるのかと言われたら「小説」の方が圧倒的に軍配が上がります。

 

そして、この事実は「概念DJイベント」に対して無慈悲にも矛盾点を指摘してきます。

それは「より明示的な詩的、文学的な繋ぎ」を志向すればするほど、「同人誌」との比較となってしまい、概念DJそのものが破綻しかねないということです。

「これって、歌詞が〇〇の概念楽曲で~」だったり、「この曲の背景って〇〇の内面にフィットしてるよね~」と歌詞や楽曲が持つ背景情報などのより明示的な部分を論えるほど、その議論は「文学性」を帯びていきます。

そうして、論じられた「文学性」がある一線を越えた時、概念DJの前に立ちはだかるのは数多の書き手たちの熱意という血によって綴られた「同人誌」になります。
こうなると、我々の付け焼刃のような「概念~」では勝てません。なぜなら、相手は自らの言葉でもって表現する”創作者”であり、我々、概念DJは人の物語を「〇〇は××の物語である」と嘯いているだけでしかありません。

 

ここまでの話から「じゃあ、お前は概念DJは小説等の同人誌の下位互換でしかないと言いたいのか」と言われてしまうかもしれませんが、そういった話をするつもりは毛頭ございません。

今回は「概念DJ」が持つ「DJ」をキーワードとしながら、「概念DJの本懐」という所をより深く掘り進めたいと思います。

前論:話をする前にDJの原点に立ち返ってみる

最近、筆者はmtgアリーナばっかりやってるらしい

概念DJを語るにあたり、まずはDJという行為の原点をさかのぼりましょう。

なんと嬉しいことか、以前のDJをする前の自分がその辺りの歴史について調べた記事を(電音部と絡めて)4年前に書いているのでそこから引用します。

outcry-ongaku.hatenadiary.com

 現実におけるDJの誕生は1969年にアメリカのフランシス・グラッソによって行われた、曲と曲とを繋ぎ合わせるというMIXから始まっている。このDJの文化は貧困層や差別に苦しむ黒人達にとっての表現と娯楽の場に欠かせないものとなり、「ヒップホップ」や「ダンスミュージック」と新たなミュージックへと繋がっていく。

 現実世界のDJも80年代前半から起きたスクラッチなどの技術の発展により、スキルを競うパフォーマーの要素が色濃く現れ、現在の我々が抱くDJ像へと繋がっていく。

その上で、更に深堀りしてフランシス・グラッソに着目すると、こんな記事がございました。

housemusiclovers.net

彼は、それまでのDJのようにオーディエンスからのリクエストやポップチャートの順位に形通りに従う曲選びを徹底して拒否。

自らの個性と音楽観を前面に押し出し、選び抜いた楽曲のストーリー性によってオーディエンスを熱狂させ、フロアを一つの「音楽の旅」へと連れて行く革新的なプレイを展開したのです。

それまでのDJプレイは、1曲がかかるごとに物語がその都度終話していましたが、フランシス・グラッソは曲という「点」と「点」を滑らかにつなぎ合わせることで、一本の美しい「線」となる大きな物語をフロアに提示することができました。

この様に深堀りすると非常に面白いことが分かります。
今日のDJの原点とは本来は繋がらない点と点である楽曲たちを一つに結ぶ「線」となる物語を創り出すことにあるのです。

ここまで読んで察しの良い方は気がついたかもしれません。
これは以前の記事で書いた「再構成」に非常に近しい行為です。

音楽が持つ”物語”を重ね合わせ、一つの自分の”物語”を創り出すという行為。

前述した再解釈で伝えたいメッセージを形に出来たと思います。ここまで来れば、後はそのメッセージに合わせて、自分の想いを込めて物語を創っていくだけです。

私は以前の記事でこれを物語の「再構成」と呼びました。
それと同じように、DJという行為の原点には既存の「物語」である楽曲を繋ぎ合わせ、新たな「物語」を創り出すことが根幹にあったのです。

余談ですが、グラッソ以後、この思想を最も体現していたのはラリー・レヴァンであると個人的には思います。
若くしてGarageというジャンルを築いた天才が残したMixテープの数々は今も愛する人が多いのも頷ける珠玉の物となっています。ぜひ、DJを志す人は聞いた方がいいかと。

youtu.be

 

さて、話を戻して、DJの原点には「物語」というキーワードが深く関わっていることをここでは提示しました。

では、この「物語」とは一体何なのか?ここについて深く言及していきましょう。

提起:DJとは聴き手がいて初めて成立する芸術である

ピッチで打つときは道連れがいるのであんまり孤独じゃない

ここ最近の話題として「DJしかいないクラブ現場は健全なのか?」みたいな話が上がっていましたが、個人的には「DJであろうとなかろうと聴いてくれる人がいる現場ならいい現場ではないか?」と思っています。

それほどまでに、DJは聴いてくれる人の存在が重要なパフォーマンスだと思います。

ではなぜ、他のライブやコンサートよりDJでは聴き手の存在が重要なのか?それを紐解くには日本のDJの歴史で最盛期ともいえるディスコから考えていきましょう。

 

黎明期のディスコにおいて主役はDJではなく踊り狂う聴き手たちでした。

下のジュリアナ東京の写真にもある通り、最初期のDJブースはお客様に見える場所ではなく、PA卓と同じ裏方にあったのです。
そして、この事が示すのは、DJは如何に踊る雰囲気を創るかがそのDJの評価が全てであること。
そこには、DJの名前の偉大さなど関係なく「踊れるか、踊れないか」で評価が決まっていたと思います。

ジュリアナ東京のDJブース

だからこそ、DJには音楽を聴いて、心を揺さぶられ、思わず踊ってしまう「お客様に向けた踊る為の物語」が必要だったのです。
聴き手のお客様全員が「踊りたい」と自然と身体が動いてしまう、楽しいクラブシーンを想起させるそんな物語が。

この様に、黎明から刻まれていった物語の数々が人々を熱狂させ、DJを今日のクラブの主役へと押し上げたのです。

 

このことを踏まえて、前論で述べた「DJとは聴き手がいて初めて成立する芸術である」という論説を考え直すと、議論するのに値はするのではないかと私は信じています。
聴き手が主役だった時代を経て、今のDJ文化に繋がっているのだとするなら、その事実を確かに、議論をすることが重要だと私は考えます。

結論:概念DJとは「語らず」とも、聴き手の魂を揺さぶることに本懐がある

筆者は白のカードが一番好きです

ここまで、DJの原点はどういうものなのか?そして、DJにおいて聴き手とはどういう存在なのか?を自身の考えも加えつつ語ってきました。

それらを踏まえ、概念DJを志す人が目指すべきこと。それは「「語らず」とも、聴く人たちの琴線に触れ、各々が物語を心の中で紡いでしまう。そんなDJパフォーマンス」なのではないかと自分は考えています。

 

身の上話にはなりますが、魔法少女ノ魔女裁判というゲームの世界観をイメージしたDJイベント「L'Eden delle verità di ragazze |=共犯者達ノ空想楽園=|」を私と共に主催したわんこ/いぬいというオタクがいます。

私が聞いてきたDJの中で一二を争うレベルで概念DJの上手なDJなのですが、前回のブルアサの講評に寄せて、以下のコメントを残しています。

これは「概念DJ」の本質を突いた言説であると私は思います。

「同人誌」と「概念DJ」の違い。それは必ずしもDJは「語り手」である必要はないのです。

クラブで踊ることに理由なんてなくて、ただ踊りたいと心の底から思ってしまうから自然と身体が動いてしまうように、概念DJも「その想いの強さに魂が揺さぶられ、物語に想いを馳せてしまう」そんな瞬間があるのです。

それは、さながら洞窟から抜け出してイデアに辿り着こうとする囚人のように、「概念」という形而上の存在を映そうと命を燃やすそんな生き様に似た煌めきこそ、その場にしかない「一回性の芸術」だからこそ人を惹きつける、概念DJが他に勝る最大の魅力なのです。

 

完全な余談ですが、前述した「L'Eden delle verità di ragazze |=共犯者達ノ空想楽園=|」にて、わんこさんがどういうプレイをしたのか、再現Mixを録ってくれたので、ここで特別に公開しておきます。(聴くに際して、まのさば既プレイ大推奨です。)

hearthis.at

おわりに

今回、Winnerとして選出させていただいたマトさん、S/∑iméさんは共に、今回、ブルアサ運営陣の心を揺さぶった珠玉のMixを持ってきたなと個人的に思っています。

これは決して、他の方のMixが悪かったかというと、絶対にそうではないことはここに記しておきます。

しかし、その上で「人の心を動かす強い力と魂の籠ったMix」であったと運営陣3名が認めるものであったのは確かです。

 

きっと、選外になって悔しいと思っている方もいると思います。この記事を読んで概念DJには向いてないのかもしれないと思ってる人もいると思います。
そんな人にこそ、BlueEnsembleに来てほしいと私は心の底から思っています。

DJが魅せる「概念」にあなたの心を揺さぶられる。そんな瞬間がきっとBlueEnsembleにはあります。

特にサブフロアに集まっているDJはブルアサ運営陣が「最強」と思う「概念の魅せ方」を持つ人たちを集めました。
もし、この記事を読んで、一人でも多くの人が来てくれるのであれば、私は嬉しいです……!

チケットはこちらから

tiget.net

【雑記】DJ初心者よ、「挑戦」を忘れること勿れ ~新人DJに送る「生存戦略」~

はじめに

お会いしたことがある方はこんにちは。初めての方ははじめまして。outcryです。

5月になり、GWも終わり、新生活にも慣れてきて嫌気がさしている人も多くいると思います。

そういった中で、今日はDJ初心者に向けた記事になります。

「始めたけど、中々出演が増えないよ~」だったり、「仲間内のパーティには呼ばれるけど、もっと他のパーティにも出たいよ~」だったりの悩みを抱える新人の方に向けて、まずは現状のサブカル系DJイベントの現状からオーガナイザーとしての本音を書きつつ、新人DJが取るべき「生存戦略」とは何か、自分なりに書こうかなと思います。

きっと何者にもなれないお前たちに告げる。


拙筆ではありますが、最後まで読んでいただけますと嬉しいです。

  • はじめに
  • 今のDJを取り巻く現状 ~正のスパイラルと負のスパイラル~
  • 新人DJが持つ「武器」 ~フレッシュさと意外性~
  • 初心者DJよ、「挑戦」を忘れること勿れ
  • おわりに:好きな音楽のDigという小さな「挑戦」を積み重ねるということ
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【ほぼ誰でもできる!】配信DJイベントの配信オペレータのすすめ!

はじめに

お会いしたことある方はこんにちは!初めての方ははじめまして!outcryと申します。

 

つい、先日行われた配信DJイベント「先生たちのジュークボックス」にて、outcryが配信オペレータとしてTwitchの配信を行っておりました。

今回のイベントでは現場での経験が浅い方やまだ現場経験のない方が中心となって出演しており、当然、配信イベントの経験もノウハウもほとんどないということで、配信イベントにも何度か出演していた自分がオペレータとして当日の音量チェックや配信画面の作成などを担当しておりました。

とはいえ、自分がいつまでもいる訳ではありませんし、これから配信イベントをやりたいという人がいることを踏まえ、属人化を防止して、皆で配信イベントをもっと気軽にやれるようにしよう!というのが今回の魂胆となります。

正直、自分がプラグイン等をほとんど入れていない、素のOBSを触っているのもあり、もっと改良する余地やベテランからしたら「非効率すぎ!」となる部分は多々あるかと思いますが、その辺りの改良に関しては別途、その方のものを参考にしていただいたり、自分で研究するなりをしていただいたりするとして、今回はほぼ最小構成に近い簡素な形で配信イベントを成立させるか?という部分に着目して記事としています。
この記事を通して、配信オペレータや配信DJイベントが増えてくれると幸いです!

  • はじめに
  • どうやって配信するか? ~配信の基礎から考える~
    • 配信する為に最初に考える事 ~インプットとアウトプットを考える~
    • インプット ~配信に映したい映像や音声を取り込もう~
    • アウトプット ~取り込んだものをどこに流すかを指定しよう~
  • 配信オペレータとしてのお仕事 ~準備をしっかりとすること~
    • その①:どの様に配信するか形態を決める
    • その②:配信の要望や条件を把握する
    • その③:音量調整をしっかりとする
    • その④:余計な音や画面を拾わないようにする
  • おわりに
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【#BlueEnsemble 公募個人的総評】概念のDJの妙について

はじめに

 お会いしたことのある方はこんにちは!初めての方ははじめまして!outcryと申します。

 今回は普段の雑記記事とは異なり、明確に一つの事柄について集中した記事になります。ただし、内容自体は多くの事に通じる内容かと思いますので、是非ともご一読して頂けますと嬉しいです!

 という訳で、私が所属しているブルーアーカイブイメージDJイベント「BlueEnsemble」(通称:ブルアサ)の公募があり、審査員として応募して下さった皆様が提出してくれたMIXについて一通り聴かせて頂きました。その中には幾つもの「良いMix」があり、正直な所、自分一人では一つに絞ることは出来ないなあと思わされる中、他の運営メンバーとの議論を重ね、最終的に今回はそてかよさんを選出しようと至った訳なのですが、今回の公募を通して自分が感じた「概念をDJにするとは」という事について記事にまとめたいと思い、筆を執りました。

今回はこちらの記事を全体へ向けた私からの総評としつつ、今後のDJライフの良き足しになればなと思っております!(なお、提出者向けの個人的講評もございますので、お聞きになりたければ、是非、私宛にご連絡ください……)

概念をDJにすること ~音で物語を再解釈・再構成するとは~

今回の公募で私が評価基準に据えた事

 今回の公募に当たり、私は評価基準の明確化の為、評価すべき項目を予め書き出した上でMixを聴くことにしておりました。その中での大きな評価の軸として、

  • 公募提出者がどのような点で「ブルーアーカイブ」というコンテンツを好きで、楽しんでいるのかが分かるMixであること
  • 正典に当たる物語、及びヘッドカノンとなる物語を公募提出者が物語やキャラクターをどう再解釈し、どう再構成したのかが分かるMixであること
  • 自身の音楽的ルーツや嗜好をもって、前述のメッセージ性を更に押し広げる様なMixであること

の三つの評価項目が挙げられます。とはいえ、多くの人が1番目の項目はクリアしていたと思います。(今回の公募に際して、皆様のIDカードを拝見していましたが、普段よりチナトロを獲得している方が数名おり、自分もより一層頑張らなきゃなと思わされました。(万年30000位付近並感))

その上で、大きく評価に差が開いたのは、やはり「再解釈・再構成をしているか」という部分だったと感じました。

なので今回は、この「再解釈・再構成」をキーワードにいったい何をもって概念DJは成立しうるのか?という事についてお話していきたいと思います。

大前提:Q."概念"とはなんぞや? A."概念"とは己とその作品との化学反応である

 まず、大前提の話として、「概念DJが指す”概念”って何なの?」という部分について。

 こちら、創作活動として動画制作や個人系音声合成IPコンテンツの実質統括などを務め、DJとしても活躍する友人であるあにゃりす氏が音声合成の技術系登壇イベント「ボイロテック」にて発表していた資料が非常に分かりやすかったので、今回、特別に本人からお借りしてきました。是非、一度読んでみて頂けると幸いです。

その上で、この資料にもある様に、概念とは己の経験や知識などから生成される化学反応の結果が出力されたものであると私も考えています。今回の場合では、ブルーアーカイブと己の経験や感性、他作品での感動体験などとの融合こそがブルアサが求めている”概念”のバックボーンへなるという訳ですね。

資料に関して、本当に概念でDJや創作をする者としてのエッセンス的な情報が詰まっているのですが、ここでは割愛して……先程も言った通り、己の経験と作品との相互作用が概念という骨格を形成している訳なのですが、その骨格を補強する"肉"は何なのか?それこそ、私は”再解釈”と”再構成”であると考えております。

再解釈とは?:無意識下にある共感を言語化することについて

 さて、ここまで何度も「再解釈が重要~」という話をしてきました。じゃあ、一体再解釈とは何なのか?

ここについて、私なりの回答を返すのなら「作品を通して己が無意識下に感じた共感を言語化し、明示すること」だと思っています。

 ここ最近、巷では外患誘致罪だなんだと話題になっており、月曜朝の時間を頂いていく聖園ミカというキャラクターがブルーアーカイブにはいますが、聖園ミカというキャラクターを深堀すると、複合的な要素が複雑に絡まり合って成立しているのが分かります。

一つは年相応の少女らしい純粋でかわいい部分、一つはティーパーティの、パテル分派の長として与えられた役割を遂行しようとする自罰的で大人びた部分、そして、良くも悪くも感情的に動いてしまう幼い部分。それぞれ、聖園ミカというキャラクターを構成している一要素であるのですが、どの部分で強く共感するかは人それぞれ違うと思います。

ある人にとっては「かわいい聖園ミカが好き」と思っているかもしれません。また、「わがままで、かつ自罰的な部分故に危うさを孕んだ聖園ミカというキャラクター性に狂わされている」と感じている人もいるでしょう。

しかしながら、大半の人はそれを言語化するという所まではいかずに、「〇〇が良くてえ……」という部分で止まってしまうことが多いと思います。逆に、なぜ良いのか、そのキャラクターのどんな面に狂わされているのかという事を言語化している方の多くが何をしているかというと、その狂いを創作に昇華しているのです。

そして私達、概念DJをやる者として求められることの第一歩は、この「なぜ、〇〇を良いと感じるのか?」ということの詳細な言語化であると私は考えています。

 以前、ブルークラリティというイベントに「水羽ミモリの幼馴染」としての出演に際して、セトリを組む上で最初に「なぜ、自分は水羽ミモリという生徒が好きなのか?」ということを考えていました。

その中で、「一途に慕うミモリの健気でありながら、普段は何色にも染まろうとしない先生すら染めんとするその強い信念が好きなんだ」と実感することが出来、その想いをセトリに反映することで概念を形にしていきました。

こうして、改めて自身の感情を、思想を言語化すると分かることがあります。それは「本当に伝えたいメッセージ性の存在」です。

「この物語/キャラクターの本質とはこれなんだ」という自分の中での確固たるメッセージ性の理解はそのMix/DJを聴いている人へ向ける矢印の方向性を決めてくれます。

そして、その矢印に支えられたメッセージを受けて、聴いている人達が感化されることで、初めて概念への共感によって感動が生まれると私は考えています。

再構成とは?:物語を自分の想いで紡ぐこと

 前述した再解釈で伝えたいメッセージを形に出来たと思います。ここまで来れば、後はそのメッセージに合わせて、自分の想いを込めて物語を創っていくだけです。ただし、ここで忘れてはいけないのはコンテンツの概念DJにはメインとなるシナリオは既に存在するという点です。

解釈違いの創作を見ると怒りを感じる人がいるように、元々の物語の流れを崩すと、どうしても違和感を感じてしまう原因になります。その為、基本的には元のストーリーラインは尊重しつつ、付加情報を付けていく形が良いと個人的には思います。(ただし、ここは大分所説ポイントです。鵜呑みにし過ぎない方がいいとも思います。)

上記の様な再構成のお手本になる創作として、個人的にはポテトルス先生の「透き通るログ」はおすすめです。ブルーアーカイブのメインストーリーをなぞりながら、独自の解釈やストーリーを展開している傑作だと思っています。

www.pixiv.net

そして、ここまで読んでくださった皆様は薄々感じていると思いますが、二次創作の漫画と概念DJは非常に似通った性質を持っています。

絵師の人が絵を使って物語を再解釈し、再構成する様に、DJは音楽を使って物語を再解釈し、再構成するのです。(解釈DJが上手いDJは小説とか書くの上手い気がする。)

おわりに

 今回は総評も兼ねた概念DJへの個人的な所感を書かせていただきました。

 もしかすると、この記事を見て「自分は概念DJに向いてないかも……」と思ってしまった方がいるかもしれません。

そんな方に向けて、私から言いたいのは「もっと、自分のルーツや初心に立ち返って、その時の想いを信じてほしい」という事です。

よく、シュタインズ・ゲートなどの名作で「記憶を消してもう一度見たい」、「初見の時の感動をもう一度味わいたい」という感想が出ることがあります。概念DJや創作はこの感動を疑似的にではありますが、もう一度想起させてくれる代物だと私は思っています。

前の記事にも書きましたが、あなたと聴いている人が元々感じていたもの、思っていることは違います。

だからこそ、その違いを、あなたが感じたその初めての感動を、物語として再解釈・再構成することで、聴いている人をもう一度感動させることが出来ると私は信じています。

今回、公募に選ばれなかったから駄目だとは思って欲しくなく、「もう一度、自分のルーツに立ち返ってみようかな」であったり、「初心に感じた思いを見返そうかな」と前向きに捉えてくれると嬉しいなと願いつつ、この記事を締めたいと思います。

 今後も、良き解釈DJを!!

【雑談的雑記】自分のセトリの組み方を言語化する

はじめに

 お会いしたことのある方はこんにちは!初めての方ははじめまして!outcryと申します。

2022年9月にDJを始めてから今年で3年目。気が付けば、ほぼ毎月レベルで色んな現場で色んな人達と楽しい舞台に立ってDJをしておりました。そんな中で、周りでもDJを始める人がまた増えつつもあり、それもあってか、DJの先輩的な立場にならざるを得ない環境になりつつあります。

そんな中で、「セトリを組む」という事に苦しんでいる方をお見掛けしており、よくよく思えば、こういうセトリの組み方の言語化をちゃんとしている記事ってあんまり見かけないよなと思い、今回は自分がセトリを組む上で大事にしている事を言語化した記事を作ろうかなと筆を取りました。

参考になる部分、ならない部分。知ってる部分、知らない部分などあるとは思いますが、あくまで「へ~この人はこういう思想でセトリを組んでるんだ~」と参考程度に見つつ、何かしらの学びの糧にしていただけます幸いです!

  • はじめに
  • 大前提:どうしてDJをする上でセトリを組む必要があるのか?
  • セトリを組む前の下準備:楽曲同士を繋ぐMIXについて
    • MIXには音楽的な繋ぎと文脈的な繋ぎという視点がある
    • 音楽的なMIX:リズム編
    • 音楽的なMIX:ハーモニー編
    • 文脈的なMIX:楽曲が持つメッセージ性の共通化
    • まとめ:MIXというパーツを繋げた先にセトリは存在する。しかし、
  • セトリを組む:意図的に仕込む感動について
    • 陥りがちな落とし穴①:「音楽的に相性が良いから」だけでセトリは作らない方がいい
    • 陥りがちな落とし穴②:奇をてらい過ぎて、滅茶苦茶なセトリにならない方がいい
    • 意識すること:お客さんのボルテージを自分で操作しようとすること
    • 更なるイメージの具体化:ボルテージの形を考える
    • セトリを組む:与えられた時間内にボルテージのイメージに沿ってパーツを当てはめていく
  • まとめ:セトリ制作は1日にしてならず

 

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【雑記】DJパーティを創ろう。 ~一人主催で小規模パーティを開く第一歩~

はじめに

 お世話になっている方はこんにちは。初めましての方は初めまして。outcryです。

 12月になり、アドベントカレンダーで様々な記事が投稿されているのを見て、ふと、「なんか久しぶりに書き物したくなってきたかも」となりました。

とはいえ、アドベントカレンダーの締め切りなんてとっくに過ぎている訳で、今更どこにも属さない雑記事にはなるのですが、それでも、誰かの役に立つようなそんな記事にしたいと思ったのです。

そうして、自分への備忘録なども込めて、「一人主催でDJパーティを興した時にやったこと」なんかを書くのがいいかもしれないなと思い、筆を取ることにしました。

DJ指南やVJ指南、トラックメイカーのおすすめプラグインなどが挙がる中で、オーガナイザーという難しい立場にフォーカスした記事にはなると思いますが、この記事をきっかけに「DJパーティを開いてみました!」であったり、「「また来たい」って言われる位に成功で終わりました!」であったりが聞こえてくれると嬉しいなと思います。
 もう、オーガナイザーをしている人にとっても、色々と為になることがあるといいなと書きましたので、是非ともご一読いただけますと嬉しいです!

  • はじめに
  • 大前提:DJパーティは何を目標とするのか?
  • 企画発足前:リサーチをする
  • 企画発足:出演者、場所、イベントタイトルを決める
  • 告知期間:入念な準備と適正な期間を設けよう
  • 開催当日:主催としての振る舞いをしよう
  • さいごに:やることは多い、それでも。
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【セトリのお話】「GENECIDE」のあれでなにのお話

はじめに

 この記事はGENECIDEで行ったDJのセトリについてのお話です。まだ聞いてない方も配信で聞いた方も是非一度、以下の再現MIXを聞きながら本記事を読んでいただけますと幸いです。

www.mixcloud.com

セトリのコンセプトについて

 記事を書く前に一つ言わせてください。めっっっちゃ緊張した……。

実はDJを始めてもうすぐ一年なのですが、トリは初めてで、しかも同じBoothにいるのは大きなイベントを行ってるオーガナイザーやレジデント、海外で活躍するDJからコンスタントに様々な現場に出演しているDJまで……そんな人達を押しのけて普段は音楽のオタクとして色々な現場で狂ってるだけの自分がトリに据えられているのだから緊張もMAXでしたね……当日は酒でごまかしてたけど。

 まあ、そんな訳で今回のセトリのコンセプトはMIXのタイトルにもあるように「自身のカルチャーの破壊と再構成」です。クラブカルチャーに触れる前の音楽への触れ方も含めて、電音部、VTuber、アニメ、合成音声、クラブミュージック……etcと様々なカルチャーに飛び込んで触れながらも、何処か一つに定住することなく往復を繰り返しながらここまでやってきたからこそ、それぞれのカルチャーをバラバラに分解してから一つのMIXにする。それが今回、俺なりの「GENECIDE」だった訳ですね。

 これはセトリを8割ぐらい組み終えてから、主催のLantoraさんから聞いたBooth2のテーマだったのですが、「オタクメインストリームに潜む何か」と「柔く、固く」の二つだったそうで、後者はともかく、前者はまあ達成できたかなと思ってはいます。

今回の選曲について

1曲目:Shelter (Momo's keys & Bedhair Remix)

 一曲目についてはここからのことを考えても、無難な手堅い一曲にしようと思っていました。そういう意味でPorter Robinsonって本当に偉大だと思います。

だって、どこで掛けても盛り上がりますもん。どのカルチャーにおいてもPorterの楽曲って人を動かすエネルギーを持っているというか、人を惹きつける魅力があるんだろうなと聞く度にいつも思います。

2曲目:SEVENTH HEAVEN × Musician (dooon MushUp)

 これは琴葉姉妹の楽曲を作曲しているどぅーんさんという方がいるんですが、その方が作ったPerfumePorter Robinsonマッシュアップです。

このマッシュアップ、個人的に無限に掛けたい程大好きです。Perfumeの歌声とPorter Robinsonの楽曲の魅力が本当に綺麗にMIXされていて、初めてこのマッシュアップSoundcloudで聞いた時の感動は今でも忘れられない位にFavoriteです。

このマッシュアップ、琴葉姉妹Coverのものもあるのですが、ここでShelterからこのマッシュアップに繋いだ要素として、とあるイベントのとあるトリがぶちかましたShelter→一輪の詩→SEVENTH HEAVEN × Musicianの意趣返しの意図は天地神明、決してなかったことをここに誓います。

3曲目:Constant Moderato(Napo Bootleg Remix)

 という訳で、三曲目は今流行りのブルーアーカイブから。

 ブルーアーカイブの楽曲、Norさんやミツキヨさん、KARUTさんという今を輝くコンポーザーさんが書いてるからか、いつもフレッシュさを感じているのですが、このConstant Moderatoってどこか懐かしさも感じるサウンドなのが個人的に好きなポイントです。ただ、どこに懐かしさを感じているのかといわれると言語化はできないのですが……。

 ちなみに、ここまでの3曲共に自分の前の番手であるDJ Cygnubeさんの好きなカルチャーになったのは本当に偶然です。気持ちいい繋ぎが特定個人への私信になるのがカルチャー横断の恐ろしい所やで……。

4曲目:夜明けに翔び立つ神社(Extended Mix)

 はい、最悪インターネットのお時間です。前の曲すら最悪インターネットにする悪魔の繋ぎです。キヴォトスではクッキー☆ごっこは恥ずかしいことなんだよ!

DJだったりクラブカルチャーに触れたりする前はこういうインターネット音楽に傾倒していた時代もありました……という一種の懺悔的な繋ぎだったりもします。

 ただ、個人的にはトリのDJって気張ったガチガチのセトリよりも、こういうどこかで息を抜くような曲が入っていてメリハリがあるようなセトリの方が好きなんだろうなとセトリを作っていて思いました。

5曲目:星座になれたら(NOEMA Remix)

 下北沢を例のアレから解放したアニメこと「ぼっち・ざ・ろっく!」より。

この前、ぼざろアニメを全部見たんですが本当に好きな部類のアニメでニッコニコになりました。

青春モノのような暑苦しさとは違うゆるさがありながら、バンドの現実や在り方などの真面目な部分は真正面に捉えようとする。そういう丁寧な作り込みが人気を博しているのかなと思います。

6曲目:ビードロ模様 (Letiamash Bootleg)

 夏のアンセムといえばこれ!という節があるぐらいには掛かっているビードロ模様

 自分がこの楽曲と出会ったきっかけは実はアニメではなく、8年前にニコニコ動画に投稿されていたQubicLoopさんのTell Your Worldとのマッシュアップだったんですよね。当時はDJやクラブカルチャーなんか知らなくて、本当にたまたま聞いた時に「この曲好き!」ってなった曲がアンセムとして愛されているのを知ると、感慨深いというか、音楽との”遭遇”って不思議なんだなと実感します。

7曲目:Silent Space Like Silent Sea(feat. 結月ゆかり)

 ここからの二曲は自分へ宛てた私信ゾーンになります。なので、正直ここについては刺さってくれる人が一人でもいればいいなと思って掛けてました。

元々、ここからトワイライトガールへの繋ぎは昔から考えてた繋ぎであり、出すタイミングを失ってたのですが、やっと蔵から出せました。漬け込みすぎたかもしれない。

この曲を書いているmarokさんは合成音声を中心にProgressive HouseやKawaii Future Bassなども書かれる方なのですが、本当にいい曲が多いので推しコンポーザーの一人です。本当にこれからも新曲を楽しみにしております……!!

8曲目:トワイライトガール

 これは完全に自分が大好きな琴葉姉妹を掛けたいが為の選曲です。マジのガチで我欲の一曲です。

ただ、この我欲に関して一つ言い訳がましいことを言うと、この楽曲が一番映える舞台を自分は見てしまったからだという部分があります。1月に開催されたKotonoha Night Party(通称:コニパ)でトリのAkihiro Ohtaniさんが掛けたトワイライトガールがずっと刺さり続けているんですよね。それを少しでも共有したくて掛けている所があります。

 余談ですが、Twitter、もといXにて無限に琴葉姉妹楽曲の話をしていたことで、フォロワーが興味をもってくださって本当にうれしかったです。好きなものを共有できるってこの世の幸せの中で一番大きなことなので。

9&10曲目:Heartstrings × scent (feat.花隈千冬) (DJ GabaE Short Mashup)

 個人的に一番語りたい部分です。正直、このセトリで一番滅茶苦茶やったのはこの部分でしたね。

元々、セトリの初期案として前半の四つ打ちを中心にして、自分のメインジャンルたるProgressive Houseで終わるつもりだったんですが、7月中旬にCeVIO・SynthesizerV・NEUTRINO or トーク系ソフトキャラクター関連楽曲中心イベントであるVirtual Voice Harmony(略称:ボイハモ)に行って死ぬほど狂ってきた次の日。興奮冷めやらぬまま曲を繋いでた時にふと、ボイハモで流れてたscentとクラブでよく聞くHeartstringsって合うんじゃね?ってなり、やってみた所、これが死ぬほど気持ちよく合ってしまったのです。

こうなると、やっぱり人にかっこよく見せたくなるのが嵯峨ってものなのですが、その時に直近でこれを掛けられるイベントがGENECIDEしかなかったんですね。

なので、泣きながら一度組んでたセトリをほぼ全壊して、入れられるように組み直した形となってます。ただ、これは偶然なのですが、本番の時にいた野良VJさんが自分が愛してやまないscentのMVを流してくれたので、正直おつりが出るほどのリターンが返ってきました。オタクってちょろい生き物なんですよね。

11曲目:カラカラ×Heartstrings (MiAN Mashup)

 11曲目から12曲目の流れはMU2023のTaku Inoueのオマージュを意識した部分があります。

トリをやる上で、古今東西様々な舞台のトリを回想していく中でTaku Inoueだったり、kzだったりが見せるある種の「予定調和」的な進行の面白さを再確認していました。正直、Heartstrings→Allegroの繋ぎって何遍も聞いてるし、普通に家で聞いても綺麗なよくある同一コードの繋ぎなのですが、クラブで聞くとやっぱり大きな声が出るというか、「わかってはいるけど抗えないモノ」があるのを実感させられるなと思います。

 ただ、MUよろしくSteller Stellerのマッシュアップを掛けるのは露骨すぎるので、別のマッシュアップを。Anison HijackのブートはDJを始めようと音源を漁っているときから知りはじめたのですが、思いもしなかったジャンルや方向性でぶん殴られるブートが多いので本当に好きです。このカラカラのマッシュアップもそういった経緯で好きな楽曲だったりします。

12曲目:Allegro

 繋ぎの面での話は先ほどしてしまったので、楽曲自体の話を中心にすると、この楽曲が収録されていたアルバム「Overture」について、逆張りで買わずにスルーしようとした過去があります。

今となれば恥ずかしい話ですし、Taku Inoueも星街すいせいも好きなのにスルーはヤバいだろと言われても仕方ないのですが、これは昔からの性根なので本当に治らない悪癖の一つです。皆は好きなものには順張りしような!

そんな逆張り満々で、この楽曲が出る前に公開された「Overture」のクロスフェードを聞き、AllegroとHighwayを知った瞬間に「ここでダセえ逆張りしてる場合じゃねえ!」と本能が訴え、無事、初回限定版を買った思い出があります。やっぱ俺はTaku Inoue×星街すいせいのコンビが大好きだわ……。

13曲目:Beat Me! (feat. kamome sano)

 このブログを始めるきっかけでもあった電音部からはこの曲。

Beat Me!については自分が電音部の中で一番だと思う楽曲を選ぶならこれ!となる位には好きな楽曲です。

元々kamome sanoさんを知ったキッカケは電音部が始まるよりもっと前、沙野カモメ名義で活動されてた時に音ゲー好きの友達からSDVX IIの曲を教わった時に出会ったginkihaさんとの共作である「Dawn of Asia」を聞いたことでした。民族調の楽器をメインに据え、それに合わせるように展開する電子楽器の音色とDnBのリズム。今考えると、kamome sanoさんのDnBが元々好きだったんですね。

その出会いから数年経ち、音ゲーから離れてすっかり忘れていた時に電音部ラジオでBeat Me! (feat. kamome sano)のタイトルコールと共にこの曲を聞いた時のことは忘れられない思い出です。本当に涙が出た。

この曲を聞く度に、自分が人生で初めてクラブに足を運んだ今はなきAgehaの「冬の宴2021」を思い出します。あそこで初めて出会った全てのことが今の自分のルーツになっているんだなと実感できるので。

14曲目:Redefinition (Jun Kuroda Remix)

 ここでは敢えて合成音声とは言わずにボカロとしての話をするんですが、その昔の自分は逆張りオタクの極みでボカロから離れた時代があります。また逆張りしてるよコイツ。

今でも、昔を知る友人から「お前、昔はボカロ嫌いだったじゃん」と言われる位には逆張りかましていたんですが、それは羨ましい程に好きな音楽があったからなんだろうなと今は思います。

そんな出来事から10年ほど経ち、自分がMwkさんが出している初音ミクの楽曲を聞いた時に懐かしさと今までにない新しさを両方感じたのはそういう歴史的なものを感じたからかなと思ったりもします。初音ミクが世に出て10年以上経っている事実を信じたくねえよ俺。

15曲目:Moonlightspeed

 多分、一番悩んだ最後の曲。元々はPorter Robinsonで始まり、Porter Robinsonで終わるように「Something Comforting×Tell Your World」で終わろうかなと思ったのですが、余りにも安直だったので没に。そこから何曲も吟味し、味わい尽くした結果の末に選んだ楽曲になります。

ナイトのクラブの終わりって、疲れてるし、早く帰って寝たいという気持ちもあるんですけど、それ以上に「まだ終わりたくない、まだこの夢から醒めたくない」と思う気持ちが強いんですよね。それを一番実感したのが「俺たちなりのAgeha」で水星を聞いた時でした。そういえば、あのパーティも逆張りで行かなくていいとか思いかけてたな。そういった想いと、歌詞の「夜はまだ明けない、明けない 夢はまだ覚めない、覚めない」がリンクしてこの楽曲を選びました。今はこの曲を選んで本当に良かったと思います。

 明けない夜はないと分かっていても、それにただ従うのではなく、最後に足掻いてから終わりたいみたいな反骨精神ってなんていうかサブカルチャーの原動力なんだろうなと思ったりもします。「これは可愛い、これは可愛くないじゃなく、全てがKawaiiじゃん!」だったり、「夢を夢で終わらせたくない!俺は叶えて見せるんだ!」だったり、現実に圧し潰されまいとする純粋な熱意が人の心を打ち、その熱意が伝播して文化を成している。だから、自分はサブカルチャーという文化が好きなんだろうな改めて実感しました。

おわりに

 こうやって楽しいイベントに参加できたこと、そして、そういったパーティの運営に携わっていたLantoraさん、なにかさん、Albireoさん含め関係者全員にこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます!

 まあ、多分今後もDJは続けると思います。正直、音源代バカになんねえし貧乏の素になりつつある気がしますが……。それでも、今はこのDJが生きがいの一つになっているのも事実なんですよね。なので、DJが生きがいじゃなくなるその日までは、長く細く続けていこうかなと思っています。

最後に、締めの言葉として在り来たりなものを言って終わりにしたいと思います……。

 

本当にお疲れ様でした!