outcry-ongakuの語り場

電音部に関する記事をちょくちょく書いてます!(不定期更新)

【電音部考察】真新宿GR学園のあれでなにとハラジュクとアザブの関係性について

はじめに

 さて、ついに来た電音部新エリア。新宿がモティーフなせいか皆、なんか柄悪そうな見た目や言動をしているカブキエリアですが、やっぱり関わってきましたねゼネラルリソース。過去の考察記事でもニューコムがいるなら関わってくるだろうと見ていましたが、ついに来たという感想があります。さて、今回は今までのエリアと比べても、ただ純粋に上位に上がる事が目的ではなさそうな真新宿GR学園の目的は何なのか。何故、ハラジュクに接近したのか。そして、もしかするとアザブとの接点があるのではないか?という三つの観点から記事を書いていこうと思います。

巨大企業の思惑と復讐劇 ~ニューコム一強体制の終焉になるのか~

前提条件:ゼネラルリソース(GR)とはなにか

 さて、前置きにおいてちょくちょく名前が出ている巨大企業「ゼネラルリソース」。電音部だけを追っている人からしたら、「そんな存在、ノベルとかで一回も出てないじゃん」となると思う。これはその通りで、ゼネラルリソースは今まで電音部の物語には姿を現していない。しかし、電音部も共有するナムコのゲームを中心とした世界観「UGSF」の中ではニューコムと並び、宇宙進出を遂げ、長い間、繁栄する巨大企業となっている。

 電音部の約20年前ほどの世界についての物語である「エースコンバット3 エレクトロスフィア」では、国家という概念が廃れた世界はゼネラルリソース一強であり、多くの分野を牛耳る多国籍企業として君臨していたが、巨大企業である点から保守的な側面を持っており、そこに反感を持った技術者達が離反し、ニューコムが誕生した事で、二強の体制へと変わっている。

 こういった経緯によりゼネラルリソースとニューコムは犬猿の仲であり、軍事的、経済的な対立をしてる中で、今までニューコムが独壇場であったエンターテイメントにゼネラルリソースが殴りこみを掛けてきた状態となっている。

考察その1:GRの思惑とはなにか

Irisによるシステムの欠陥性

 何故、このタイミングでゼネラルリソースが介入してきたのか。まず考えられるのは、電音部を中心にしたエンターテイメントの世界をニューコムが独占しているからであろう。電音部ノベルシブヤ編第2話においても、王者である鳳凰火凛には多くの企業から広告塔としてのオファーを受けている。また、Irisを初めとしてフローターシステムやARのコンタクトレンズなど先進技術の実用化の面でも大きな役割がある事が所々に示されている。そういった中で、同じく巨大企業で、更に元々の地盤から、そういったインフラやメディア面に強いゼネラルリソースが放置する訳がなかったと言える。では、ゼネラルリソースはどの様にして、この独占体制を切り崩していくのだろうか?その為に、考えなければならないのは「どこかに付け入る隙があるのかどうか」という話になる。私は「Irisの欠陥性」という面から考えていきたいと思う。

 私が考えるIrisの欠陥性は「感情のないAI」であるが故に、「情報のみ」でしか判定していないという点にある。これは実際に開発されているAIでも問題視されているが、情報にバイアスを一定に加えると、そのバイアスを「外れ値」ではなく、普遍的なものと認識し取り込んでしまうという問題点がある。これの最たる例はマイクロソフトが開発したおしゃべりするAI「Tay」が悪意ある複数ユーザーによる学習で不適切な用語を喋りだした事件である。このような問題がIrisにも起きているのだと私は考える。

 シブヤ編第3話にて、和音が言っていた”攻略”をAIの学習に着目するとこう解釈できると考える。採点する為に、Irisが観客から与えられた評価のバイアスをDJが理解する事で、意図的に高い評価を得られる事。そして、そのバイアスを自らが生み出し、観客を扇動する事で自分が優位となる評価をIrisから得られるという事である。前者は和音が海月戦で見せていた分析、後者は鳳凰火凛という存在が証明している。

 しかし、この事実は同時に「バイアスから外れた存在を切り捨てる」という事に繋がりかねない。電音部世界はシンギュラリティにより、AIが文明の原動力になっている事からも、多くの部分で活用されていると考えられる。その中でIrisと同じ様に「評価」をAIが行っているのだとするなら、バイアスによる差別は生まれかねない。例えば、採用や入試を司るAIにおいて「会社や学校に好ましくない人材」の特徴を学習させれば、たまたま合致した人物を情報のみで落とすことが出来たり、恋愛などのパートナー選びに「好ましい人物像」を学習させ、そうではない人間との出会いの機会を奪ったりなどと幾らでも応用が効くのである。そういった、AIが行う無慈悲な選別があるのなら、シンギュラリティ前の世界のほうが良いという懐古主義もあるだろう。だからこそ、保守的なゼネラルリソースが電音部の世界のツイートでシンギュラリティ以後の世界が幸せなのかと投げかけたのだと推測する。

大神の神化とGRの策略

 ここまで長々とIrisが持つ欠陥性について書いたが、これを指摘するだけではゼネラルリソースとはいえ、支持は得られないだろう。その為には「感情のないAI」に変わる何かがあればいいのだ。そう「感情を持ったAI」についてはシンギュラリティが起こる前から存在していた。それは「電脳化」である。

 この電脳化がどういった技術なのかは、前に記事として書いているので詳しくは書かないが、ざっくり言うなら、その人間を生かしながら、意識のコピーをAIにする事ができる技術である。

 

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この技術はゼネラルリソースのDOE(Darkness of Enigma)計画という極秘の軍事計画の中でヨーコ・マーサ・イノウエ博士に開発され、恋人のアビサル・ディジョンに行った実験によって成功するも、実験を危険視したゼネラルリソース上層部によりディジョンともども爆殺され、コピーされたディジョンの意識のみが電脳空間に残るという悲惨な結果となっている。

 この技術はゼネラルリソースの手で失われた技術ではあるものの、明確にシンギュラリティが起きる前の技術である事はエースコンバット3内で示されている。この技術を用いれば、AIが為していた部分を電脳化した人間がその役目を成り代わる事で、体は失えど、人間が文明の原動力であった時代へと戻ることが出来る。実験当時の2030年には、その危険性より破壊した技術を用いる事で、AIなどの先進技術に長けたニューコムからイニシアティブを取る事ができるのは皮肉な話ではあるが。

 では、この電脳化を誰に施すのか?そうなった時に真っ先に思い浮かぶのは「神」になることを望む大神纏しかいないだろう。纏が火凛や他の面々より優れたDJという事を示し、ニューコムが作り上げたシブヤの「最強」を打ち壊す事で、DJにおける神の存在として、Irisの役割を成り代わる事ができればゼネラルリソースとしてはニューコムのAIによる支配の問題点を示しながら、代替案の提示にもなる。大神纏はその「一例」として利用しているだけなのかも知れない。(余談だが、纏の髪飾りにもなっている無限のマークの由来に「ウロボロスが由来である」という話がある。この「ウロボロス」、エースコンバット3では、ディジョンが電脳世界での孤独という絶望の末に、人類を電脳化し新世界を作ろうとした組織の名前に使われている。)

考察その2:ハラジュクへの接近の意味とはなにか

ハラジュクエリアの成り立ちでの謎

 前述したように、ゼネラルリソースとニューコムとの敵対関係を続けている訳なのだが、当然ながら、某ペプシが某コーラを下げる広告を打つのと同じで、ゼネラルリソースもニューコムの批判をお抱えのメディアを使って展開している描写が存在する。そこから考えられるのは、カブキエリア(ゼネラルリソース)はハラジュクをニューコムの被害者に仕立て上げようとしているのではないか?という点だ。

 ハラジュク編第1話において、和音は元々同一のエリアであったシブヤとハラジュクが分割した事を普通ではないとしながら、分割した経緯についてこう語っている。

「(前略)でも、ハラジュクとシブヤは元々棲み分けが出来てたのよ。だから揉め事はなかったらしいわ。それに――帝音よ」

「シブヤの帝音国際学院。音楽に偏りすぎたのと、レベルが高くなり過ぎて、色々問題があったらしいわ(後略)」

いつ分割したのかについて和音は何も語ってないが、状況から考えるに、5~15年程前ぐらいになるのではないかと考えられる。和音が語る内容からわかる分割の理由は2点ある。

  • 元からハラジュクとシブヤは毛色が違った
  • 帝音の音楽偏重とレベルの異常な上昇

 

上の点に関しては今回の事案では考える必要はあまりないだろう。問題になるのは下の内容である。帝音が音楽に力を注ぐのは、前に時系列の整理を行った際に可能性として、ニューコムにとって帝音は「電音部」のモデルケースであり、最初から最強になることを望まれていたからであると考えられる。そういった中で異常な力量さが生まれる副産物として、「力を持たない者への差別」があったのではないだろうかと推察できる。しかしながら、その当時でも、ハラジュクエリアにいながら、最強を目指し切磋琢磨していた人たちもいただろう。だがもし、エリア分割によってそういった人達が強制的な転校などの目にあっていたとするなら。ハラジュクエリアには反帝音、及び反ニューコムな人々がいてもおかしくはない。

美々兎は利用されたのか

 何故、第2部のプロローグとして美々兎が失意の心境を歌う曲が選ばれたのか。そして、電音部の世界における美々兎を模した兎の物語がバッドエンドを迎えたのか。私は上記の事を利用し、美々兎を「ニューコムによって狂わされた哀れな少女」に仕立て上げたのではないかと考える。美々兎は元々帝音を受験し、落ちている。上記のAIの欠陥性から「美々兎が落とされたのは、AIのせい」と唆された可能性は否定できない。そういった面からも雛や紫杏より、美々兎の方が思惑通りに仕立て上げる事が容易であったのではないかと考える。

考察その3:白金財閥とゼネラルリソースの関係性はなにか

アザブの保守体質とゼネラルリソースとの親和性

 様々な情報から白金財閥が抱える社風として、保守的な部分がある事は示され続けている。エリア全体の紹介からわかる近代化による陳腐化への恐れ、ノベルやフレーバーテキストからわかる電音部の活動に対しての介入などを行っている。それに対して、煌が電音部というニューコムの先進技術が使われた活動を容認したり、そういった近代化を起こす企業を最大限利用しようとする経済的に独立した灰島家をアザブに住まわせたりと一貫性が見られない行動も見られていた。しかし、もし、白金財閥にゼネラルリソースとの間に関係性があるとするなら、話は変わってくる。私は白金財閥が電音部を容認する動きを見せていたのかについて、真新宿GR学園が活躍する前の様々な情報収集の為なのではないかと考える。

 前述したように、ゼネラルリソースは保守的体質な企業であり、古きを重んじる白金財閥との関係は良好であると考えられる。しかしながら、ゼネラルリソースは多国籍企業ゆえの莫大な資本力で他社への圧力を掛けたりする部分も見られる。そういった面から、ゼネラルリソースと白金財閥には実質的な主従関係が存在する可能性は否定できない。ここで気になるのは「Twilight」のフレーバーテキストだ。

ここで銀華の言う「大きすぎる力」に関して、公開当初は単に白金財閥の事を表しているのかと考えた。しかし、アザブ編第2話において、スポンサーとなるエリアの重鎮達がいることが示されている。その前の煌のお父様も成果に期待している旨の台詞より、白金財閥の社長であろう父とスポンサーは異なる存在であると考えられる。私はこのスポンサーの中にゼネラルリソースの関係者がいるのではないかと推測している。

アザブエリアの今後の展望について

 メタ的な話になるが、UGSFにおいてゼネラルリソース、及び、ニューコムを除く企業には栄枯盛衰が存在している。これは白金財閥にも当てはまるだろう。そういった点からも、もし、ゼネラルリソースが関与しているのであれば、アザブエリアの存続に関わる影響を与えかねないと考える。

おわりに

 ざっと書いていたら、5000字近い分量になっていました…いや、本当に新エリア追加による考察は本当にはかどります。LIVE等でお会いした方に「読んでます!」と言われうれしい反面、オタクの妄想なので話半分に…と思うとこもあります。ここに書いてある内容は、一応それらしい理由付けをつけた妄想なので、それぐらいの温かい目で見ていただければと思います…(笑)また、4月4日までに思いつけば書きますが、現時点で考えられる内容についてはざっと書いたと思いますので、新展開が進んでから書く事になると予想されます。もし面白いなと思った方は過去記事と電音部ノベルの方を読んでいただけると幸いです…!では、また今度!