outcry-ongakuの語り場

電音部に関する記事をちょくちょく書いてます!(不定期更新)

【電音部イベントレポート】1stLIVEから見えた、「音楽原作」の方向性の多様さ

はじめに

 現地で見ていた方も、オンラインで見ていた方も大興奮の二日間だった電音部1stLIVE「MAKE WAVES」。サンリオピューロランドとのコラボや、新展開の発表など発表尽くめで、今後の展開に期待が持てると同時に、財布との相談の日々になりそうだなあ…(笑)と思っている今日この頃。

 今回、私は一日目の現地に参加させてもらいましたが、ノンストップで繰り広げられる怒涛のライブ展開に体を大きく振り、楽しんだ結果、翌日に元々持ってた足首の炎症が悪化する事に…二日連続で参加できるタフな人達は凄いです…(笑)そんな訳で、1stLIVE全体に関しての大まかなレポートはOTOTOY様がまとめていますので割愛し、今回は電音部イベント三つの軸の一つである「LIVE」が電音部においてどういう役割を持っているのかという事を中心に書いていこうと思います!

OTOTOY様の記事はこちらに

ototoy.jp

ototoy.jp

「歌」としての電音部、「ダンスミュージック」としての電音部を描く「LIVE」

歌唱メインの「LIVE」の良さ ~歌モノだからこそ湧かせるステージの強み~

 電音部3大イベントの一つ「LIVE」は歌唱メインという事で開催前から様々な意見があった。元々、電音部に関わるコンポーザーは「DJフロア」をメインに活動している方が多く関わっており、電音部の3大イベントにもコンポーザー達が一同に介して行うDJイベント「PARTY」が存在する。早くPARTY開催してほしい。実際、電音部の楽曲の多くはフロアを沸かせるとして様々なイベントで掛けられている。それはコンポーザーの力があるだろう。しかし、今回の「LIVE」はそういった「楽曲」の面ではなく、歌唱などの「パフォーマンス」に重きが置かれている事もあり、難色を示す人もいたのを見ている。

 私も実際に見るまでは半信半疑であった。楽曲のすばらしさはあれど、それを更に引き出すパフォーマンスという事が可能かどうかについては初めてという事もあり、若干懐疑的に見ていた。しかし、実際に「LIVE」を見ていると、その疑念は段々と取り払われていった。なぜ、疑念が解消していったのかは二つの要素が挙げられる。

その1:「繋ぎ」の重要性

 今回のイベントでは、MCは終幕時のみで最初の曲から最後の曲まではノンストップで繋いでいった。特にキャラクター性の強いLIVEイベントではMCを挟んだりして、所謂「休憩時間」的な間を作る事がある。しかし、電音部のLIVEではそういった間を作らず、ボルテージを上げたままで繋ぐというフロアに近い考えで動いていた。そういった事が如実に分かるのは曲と曲が始まるまでの「繋ぎ」のスムーズさにある。一般の音楽イベント、例えばクラシックやロックフェスなどにも準備によって生じる「空白」が存在する。その空白がある事によって、聴衆は一度聞く姿勢を整えられるともいえるが、同時にテンションがしらける瞬間にもなる。今回の電音部のイベントでは曲と曲の間でしらけさせない為に、その空白を少なくする事を意識して構成されていた。

 ステージ上に準備しやすいような配置での歌唱、敢えて楽曲の余韻を強く残す事で「空白」を極力消すステージの使い方、よくMCでおこなわれやすい始まる前の出演者紹介を映像形式にする事で曲と曲の繋ぎの演出にする方法、また、出だしから始まる楽曲にはイントロ部分を(あれは多分新しく作ったのかな?)つける事で準備の時間を用意する事でボルテージがほとんど冷める事無く、2時間ノンストップに繋ぐ事ができた。

その2:ステージ特有の一体感の活用

 その1では、LIVEにはないフロアの空気感に近づくような演出の良さを紹介したが、それと同時に、LIVEでしか味わえない醍醐味をしっかりと残してもいた。LIVEは音楽を自由に楽しむフロアとは違い、ステージ上に集中を向かせる視覚、聴覚的演出であったり、どの位置からでもステージを楽しめるようなホールの設計や構造があったりする。   

 今回、注目したいのは楽曲の選曲という部分に関してだ。今回のLIVEでは「電脳ロリポップ」や「アイドル狂戦士」などのLIVE独特のグルーヴ感が存在する楽曲や、「ペトリコールを渡って」や「Haiiro no kokoro」などの「歌」として聞かせる楽曲を上手く採用している。また、公式のペンライトを振るだけではなく、首掛けできるようにしたということも個人的に非常に良かったと思っている。首掛けする事により、フロアのような自由に体を動かしながら、ペンライトの色の統一というLIVEが持つ視覚的な一体感をホール内に生み出され、より、歌唱や楽曲を深く楽しめる要素となっていた。

 このように「LIVE」は、楽曲が持つ「コンポーザーの楽曲」という面だけではなく、「電音部の楽曲」という部分を強く感じれるイベントとなっている。その為、私は「電音部は気になるが、音楽については何も知らない」という人にこそ、「LIVE」を見て欲しいと思う。「電音部の音楽ってこういうものなんだ!」という事がわかりやすく、「電音部」がどういう感じなのかを理解する事ができるきっかけとなる。それと同時に、「「LIVE」以外のイベントである「PARTY」や「GAME」で流れるコンポーザーの他の楽曲も聴いてみようかな」という風に「電音部」を通して、電音部が本来、ファンに楽しんで欲しい「クラブミュージック」や「DJ」に触れる足掛りとなるイベントが「LIVE」であると感じた。

「ダンスミュージックプロジェクト」である事を思い出させる、電音部ダンス部

 電音部は「クラブミュージック」として認知されているが、公式には電音部は「Dance Music Project」となっている。その為、今回の「LIVE」では前述のステージへの集中を上手く利用し、プロのダンサーによるダンスパフォーマンスを展開していた。

 私としては、このダンスパフォーマンスは非常に衝撃的だった。今まで、電音部の楽曲は単体で持つ魅力が100%であると感じていた。しかし、「Shining Lights」の際の男性ダンサーによるかっこいいダンスや、「MUSIC IS MAGIC」の歌唱とダンスの融合などは電音部の楽曲が持つ魅力を更に引き立てる。非常に面白いパフォーマンスだった。更に、電音部楽曲をベースにしたダンストラックは、ダンスの芸術性をより高める要素となっており、以上の事から、「電音部」が持つ新たな魅力を引き出す要因に「電音部ダンス部」はいたと思われる。

「音楽原作」だからこそ持つ魅力、その魅力を生かす三つのイベント。

 今回の「LIVE」が無事終了したことにより、電音部における3大イベント「LIVE」、「PARTY」(miniだけど)、「GAME」の全てを見る事ができた。それぞれのイベントがそれぞれの良さを持っているが、その良さの源は「音楽原作」という所から来ているだろう。「音楽を聴いてもらう」事こそが電音部の第一歩と公式が言うように、電音部は楽曲にストーリー性の魅力、楽曲そのものの魅力、歌唱による魅力、キャラクターの魅力などを詰め込んでいる。しかし、そういった魅力は「音楽を聴いてもらう」という事が無くては理解してもらえない要素でもある。詰め込まれた楽曲の魅力を一つずつ紐解いて、共通する良さで編みなおしたモノが「LIVE」であり、「PARTY」であり、「GAME」であり、果ては「電音部ノベル」などのメディアミックスであると私は思う。この多様さが今後、どの様に広がっていくのかに期待が寄せられる。

おわりに

 電音部、本当に半年前の時と比べても大きく動いており、ファンが追いかけるというよりも、振り回されている。そんな気持ちにもなる忙しないコンテンツになっています(笑)。記事内にも書きましたが、今後のその多様さをどう広げ、そして、どう洗練するのかという点はこれからも、電音部ファンとして見て行きたいなと思います。さて、次の記事は時間軸について書こうかなと思っていたのですが、思った以上に「Distortion」の歌詞やその内容が気になるので、そちらに関する記事をまとめてからにしようと思います!では、また今度!