outcry-ongakuの語り場

電音部に関する記事をちょくちょく書いてます!(不定期更新)

【電音部考察】安倍=シャクジ=摩耶の名前の由来を新宿との関係性から考える

はじめに

 前回の記事で4/4までに心残りはないとしたな、あれは嘘だ。という事で、やっぱり書いてしまった電音部考察記事のお時間です。ただ、考察を始める前に感謝の言葉を。前回の記事を読んでくれた方、本当にありがとうございます…!おかげ様で、本ブログ初めての1日PV400越え、及び週間PV1000越えを達成しました!これからも(当たっているかの保障はできませんが)電音部を理解する一助になればいいかなと思います!今回は謎のキャラクターである安倍=シャクジ=摩耶を新宿の文化と照らし合わせつつ、名前と生い立ちがカブキエリアにどう関わってるのか?という所を示す回となっています!

摩耶と新宿 ~多角度から紐解く名前の秘密~

問題提起:安倍=シャクジ=摩耶の生い立ち

 華やかな日本文化が色づくというカブキエリア。その中で、そういった文化的な生い立ちが強そうなキャラクターとして見れるのは、安倍=シャクジ=摩耶(以後、摩耶)であろう。アサクサエリアの寺に生まれ、カブキエリアの神社で育てられたという異色の生い立ちを持つ彼女だが、ここで一つの疑問が生まれる。「彼女の名前はいつ付けられたのか?」という点だ。以前より、電音部はキャラクターの名前に強い意味づけを持たせている。(既存のキャラクターにはどういった関係性があるかの考察の過去記事を貼り付けておきます。)

 

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では、摩耶の名前を日本文化にちなんだものと仮定して分解すると、以下のように考えられる。

  • 「安倍」=陰陽道
  • 「シャクジ」=神道
  • 「摩耶」=仏教

では、この三つの要素が本当にその文化から来ているのか、その根拠を示しつつ提示していこうと思う。

仏教的側面:神仏習合と浅草と新宿との関係性

 摩耶という名前が釈迦の母親を示す「摩耶」から来ているという事は多くの人が考察しているが、生い立ちを考えると妥当であるといえる。しかし、浅草の寺生まれ新宿の神社育ちという一見すると仏教から神道への変更、及び関係性の薄い土地への移動という異色さを感じる。だが、明治に神仏分離令が出されるまで「仏教の仏と神道の神は同質に近いモノ」として神仏習合が行われてきた歴史がある。(*1)(厳密には、どちらが主でどちらが従なのかで議論があるが、本筋に関係はないので割愛する。)これによって、もともとは寺と神社は密接な関係がある事が分かる。ちなみに、新宿にある「花園神社」も元は神仏習合の神社であり(*2)、更に「花園神社」と摩耶に関しても関係があると考えられるのだが、それは神道的側面の方で記述する。

 また、この「花園神社」の名前の元となる「花園社」が資料に登場するのは、1803年に大火に遭った社殿復興を願って内藤新宿町より奉納された額面に記されていた事が始まりとなる(*2)。この、内藤新宿という町は江戸時代に浅草の商人達の手によって新たな宿場町として整備された歴史を持つ。(*3)そういった点からも、浅草と新宿が深い関係がある事はわかっていただいたと思う。

神道的側面:「石神」と新宿

 神道的要素として考えられているのは「シャクジ」だが、この読みに対して「石神」という漢字が当てられる。(*4)さらに、シャクジは「三狐神(シャゴジ)」と同一視されており、この三狐神を祀っていた岩屋が、ある日本神話の神を祀る事になった事例が存在する。その神とは倉稲魂命(ウカノミタマ)、「稲荷神」である。(*5)

 ウカノミタマは日本神話の女神とされており、スサノオの娘に当たる神である。(*6)そして、このウカノミタマを祀る神社が新宿には存在する。「花園神社」だ。(*7)そして、摩耶は狐のお面をつけており、キャラクター性とも合致する。以上の事より、「シャクジ」はウカノミタマから来ており、摩耶が育てられた神社のモティーフとなった神社は「神園神社」であると考えられる。

陰陽道的側面:新宿と陰陽図

 「安倍」が「あべの」と読む事からも、「安倍晴明」との関係性を考える事は容易である。しかし、晴明が新宿との関連性があるという情報は歴史の動きを考えてもない。その為、ここで重要になるのは陰陽道との関係性を示す事になる。

 ここで一つ、陰陽道に関するオカルトな話が存在する。それは「山手線陰陽図」だ。オカルトに詳しくない方に簡単に解説しておくと、山手線を簡素な図にした場合、円で表記される事になる。この時、その円を陰陽道で重要な対極図の円とした時に、陽の陰に当たる場所に皇居が、陰の陽に当たる場所が新宿になる事で、陰陽道の力で東京を守っているという都市伝説である。

 そして、山手線という要素は電音部の楽曲でも二回登場している。「Hyper Bass」と「アキバサイクル」だ。この事からも、電音部の世界には山手線に類似する何かは残っており、以上のような都市伝説が何かしらの形で語り継がれている。ないしは、実際の効力を発揮している可能性はある。

考察:カブキエリアの名前の偽名の可能性

 以上の事から、摩耶が名前に持つ三つの要素を新宿と絡めて持っていることが示す事ができたが、問題提起によって示された「いつ名前が付けられたのか」という回答にはなっていない。さらには、生い立ちの時系列がまるで決め付けられていたような命名である。充分、その可能性もあるのだが、ここで別に考えられるのは「摩耶の名前は本当の名前ではない」という事だ。

 本来の名前は別にあったが、寺で生まれた時に「摩耶」を、神社に育てられた時に「シャクジ」をそれぞれ与えられたのではないかと考える。この「偽名」にはカブキエリアのもう一人も関係する。「りむる」だ。彼女は現在、電音部のキャラでも唯一苗字を持たない。そういった点からもカブキエリアは「便宜上」の名前が与えられており、本名は別に存在する可能性がある。(ないしは名前がそもそもない)

おわりに

 新たな展開が始まりつつある電音部、果たして体一つで追えるのかと不安になりますが、頑張って追っていきたいなと思っています…(笑)。後はりむるの名前がすごい気になっています。何故スペリングが「Reml」なのかがよくわからないんですよね…多分そこが核心なのだと思っているのですが、まだ明確な答えが見えていません。また、何か思いつき次第、記事にしていこうと思います!では、また今度!

参考資料

*1 「神仏習合とは」(神仏習合とは - コトバンク)

*2 「花園神社縁起」(花園神社縁起|東京都新宿鎮座 花園神社)

*3 「宿場町「内藤新宿」の誕生」(1:宿場町「内藤新宿」の誕生 ~ 新宿 | このまちアーカイブス | 不動産購入・不動産売却なら三井住友トラスト不動産)

*4 「シャクジ」(シャクジ | 言葉 | 漢字ペディア)

*5 「稲荷神」(稲荷神 - Wikipedia)

*6 「ウカノミタマ」(ウカノミタマ - Wikipedia)

*7 「花園神社」(花園神社 - Wikipedia)