outcry-ongakuの語り場

電音部に関する記事をちょくちょく書いてます!(不定期更新)

【電音部考察】”音楽原作”だからこそできる考察 twilight編

はじめに

 未配信だったエリア曲も配信され、ここからは新曲の波が襲ってくるということで、これからも非常に楽しみな電音部。今回のアザブエリアの新曲「Twilight」には楽曲に関わるカバーストーリーも同時に公開されているので、それを踏まえながら、この楽曲のよさについて味わっていきたいと思う。

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 アザブエリアの夜明け ~「白金電音部」のスタートライン~

カバーストーリーについて

 「twilight」の楽曲リリースと同時に公開された歌詞とカバーストーリー。ここではカバーストーリーについて吟じていく。

  シーンとしては「大事な試合前日の夜」という事で、アザブはどこかのエリアとのバトルが控えているようだ。そんな中で感傷に浸る煌。自分達の力だけで今の場所に立っているのか?という不安のような疑問を口にすると、銀華は「大きすぎる力を借りている」と返しながらも、「今の結果は努力の成果だ」とフォローし、たまもそれに同調する。アザブを表す「高尚にして至高」という言葉を胸に刻み、夜明けの街を歩き出す…。

 このカバーストーリーで大事なのは「煌は自分達の場所は与えられたモノでしかないのではと不安に思っている」という点と、「その様な場を作り出せる力を持つ白金財閥」という点だろう。「お金で解決」という言葉がスタンプになるような煌であるが、DJへの熱意は本物であるという事。だからこそ、「莫大な財力を持つ白金財閥の令嬢」というステータスが枷となっている事がこのシーンから読み取る事ができる。

曲中に現れる、それぞれの「不自由」

 曲中において印象的な歌詞の一つである「不自由なんて そんな言葉 関係ないと見做した」が表すように、曲の前半において、煌、たま、銀華がそれぞれ抱える「不自由」が表現されている。

 煌にとっての「不自由」は「DJという自由な世界を知りながら、地位によって縛られる事」だろう。煌にとってDJとは自身のソロ曲である「MUSIC IS MAGIC」が示すように「誰しもが楽しめる魔法のような空間を作る存在」であり、「何にも縛られない自由な存在」とも言い換える事が出来る。しかし、同時に煌は前述の「白金財閥の令嬢」という色眼鏡をかけられてしまうだろうし、また、白金財閥の影響を受けるという事もあるだろう。だからこそ、「運命なんて 境遇なんて 賽の目は六なのに」と恵まれた環境であるが故に、得られない自由を望む煌が描かれていると考えられる。

 たまにとっての「不自由」は「アザブエリアに来る前の生活」だと考えられる。歌詞でもカバーストーリーにおいても、たまは「勝ち組」である事に執着している事が窺える。裏返せば「負け組」になる事で失うモノを失いたくないという気持ちの表れと読み取る事ができる。となれば、それは「煌との繋がりを失う。出会う前の状態に戻る」というモノではないかと推察できる。

 銀華にとっての「不自由」は「本当の自分を曝け出せない」という事だろう。これはソロ曲の「Haiiro no kokoro」と「KOI WAZURAI」でも見られる銀華の秘めるパーソナリティの部分についての言及として「エンブレム外して 裸足でこの道を 歩いてみたいだけ」という歌詞が挙げられる。銀華にとっての外向けに取り繕った「エンブレム」を取り外して、本当の自分でいたいという銀華の純粋の願いがこの部分から見て取れると考えた。

夜明け前だからこその自由

 曲の後半では夜明け前であるが故に、「ありのままの自分達を見てくれるアザブ」というモノが描かれている。夜が明ければ、彼女達は「アザブエリアの白金電音部」として進んでいく事になる。しかし、彼女達にも抱えている悩みを漏らす時間があっていいはずなのだ。だからこそ、皆が寝静まった夜明け前に零す。それを聞くのは、メンバーと”見つめて、照らしてくれる”アザブの街だけである。

自由に恋焦がれる少女達

 先日公開された紹介記事において、「アザブエリア」のキーワードは「愛」であると言及された(記事についてはこちらの記事にまとめてあります。)

 

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 しかし、「Where Is The Love」を考えても、彼女達は「愛」を知っているのではなく、「愛」を探しているという事がわかる。「twilight」でも同様に「自由を愛する」のではなく「自由に恋焦がれている(探している)」姿が描かれている。彼女達が「愛」を知るそのスタートライン、「自分達の白金電音部」としての夜明けを描くのがこの曲なのかもしれない。

おわりに

 アザブエリアを前回「謎多きエリア」と称したが、「twilight」に関しては謎が多いからこその文脈を持っていて、非常に味わい深い曲だなあという感想が出る。今後、アザブエリアに関する情報が公開されていくにつれて、この曲の感じ方も変わっていくと思う。しかし、「今だからこそ感じる感想」はこの瞬間しか味わう事ができない。そういった意匠に電音部の「音楽に遭遇しよう」という精神を感じられて、オタクとしてにっこりしてしまう。さて、今後も楽曲に関するカバーストーリーが出るのであれば、それに関する記事を書ければなと思っています。(毎週書くことになりそうだな…)では、また今度!

 

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